=第一章=
[A Hit of Hunch]
第17話・赤の15標

 

 アドベルはその手に持つ大剣を横に大きく振るい、一歩進める。
 おびただしく迫り来る[AGOTOW]はその剣に触れた瞬間、消し飛ばされていく。
 それは明らかに、他の兵士が倒す様と違っていた。
 他の兵士は、武器を振るえば、[AGOTOW]は土くれと帰っていく。
 しかし、アドベルの振るう大剣は、触れた瞬間、そこに存在しなくなるのだ。
 順手で振りぬいた大剣を今度は、逆手にして、再び、振りぬく。
 まるで、[AGOTOW]の群れが雨のようで、彼の剣は車のワイパーと同じく、歩いていく先を良好にする。
 そして、また一歩…。
 その歩は、徐々に、城を離れていく…。
 以前切れ目なく押し寄せる[AGOTOW]を消し飛ばし、アドベルは歩いていく…。

  そう、その先に、何かがあると、いう風に…。


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