=第一章=
[A Hit of Hunch]
第22話・赤の19標

 

  そして、その時が訪れた。

 ドブリッと、オラブの燃え盛る手刀がアドベルの胸を捉えた。
 爪先はアドベルの胸を守る皮鎧などないかのようにめり込み、肉体にとうまり、心臓を貫き、…
 背面と抜ける。

 突き抜けたアドベルの体を吊り上げ、炎で蒸発する血の匂いを漂わせる中、
 アドベルは、腕足をダランと下げ、ガランと大剣が地に落ちる。

 それから、オラブは笑い、トドメとばかりに、アドベルを裂いてやろうとばかりに、もう片方の手を手刀の構えを取った。


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