=第二章=
[Arrested Princess]
第11話・赤の34標

 

 一歩、部屋を踏み出でたクリス王女は、気張った力の抜ける感覚を覚え、扉にと寄りかかる。
 アドベルの言葉と視線に逆らえない自分がいた…。
 それは余りに違和感を覚えた…。それに問答する自分。

  これが、恋?…違う、…これは、恋、ではない…。
  恋であるならば、…あまりに、一方通行過ぎる…。
  そう、…アドベルの言う様に従いすぎる…自分がいる…。

 それに、ただ疲れにも似た感覚が、身体にけだるさを与えた…が、彼女は頭を振るい、
 そして、身体に力を入れる。

  …分からない事に、足を止める…そんな時間はないはずだからだ。 


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