=第三章= |
「…物心ついた時には、僕には母はいなかった。…そして、父、ガイストも、僕が5歳を迎える前に、首を吊って、死んだ」 「ガイスト様が、自殺!?」 スティアの言葉に、力失うような…ただ気力抜けた声で語るアポロ…。へ、エディルが目をむいて、彼の言葉に問いただしをかける。しかし、…アポロはその言葉に答えれるほどの、…気力はなかったのだろう。 「そう、その時、僕のそばにいたのは、…アドベルとアドベルの妹。エラブおばさんの子供達だけで、…僕は、…二人とともに生きていくことになった」 しかし、そのアポロの会話を、…何かが許さない、とばかりに、グランっと部屋全体が揺れる。 そして、3人が扉にと振り返った時、その扉は…ギギギィっと音を立て、軋みを見せていた。 |