=第三章= |
「老子オルトよ。[AGOTOW]とは、…何なのですか…」 いくつかある疑問の中、まずアポロを含む、2人も聞きたかった事柄である。 前に、この場を訪れ、聞いたであろうアポロの父、ガイスト。そして、共に来たユーマとエラブ。そう、彼らもその質問をしたであろう…。しかし、ガイストは[AGOTOW]との決着をつけた後、その足で言葉失ったように城を後にし、同じく生き残ったエラブも共に去っていった。 ゆえに、…王の書籍にも[AGOTOW]という文字とその脅威を示す羅列はあれど、その内容、正体を謳うものは存在しなかった。 まずは、だからこそ、その[AGOTOW]とは何かを知りたかった。 「…、[AGOTOW]とは、星の民である」 質問に対し、オルトは口を開いた。ゆっくりと溜めるように息を吸い、吐き捨てた一声がそれだった。 「諸相は私も知らぬものの、だがしかし、北の大地に一つの流星が落ちた時より[AGOTOW]は現れた。そして、人の体を模したその者らは、突如、周囲にと侵略を開始した」 オルトの言葉は、周囲に響き、3人の耳にと入っていく。 荘厳にして、謡い手の如く、…。 「固く、そして、復元をするその存在に、兵士の戦力に疲弊をきたし、王国の領土は徐々に侵食され、窮地にと追いやられていった」 「さて、そのような所業を行う[AGOTOW]の名を知らしめた者がいた。そう、それも同じく、星の民である。遅れる事、数日。その星の者は王宮にと飛来した…それが、スティアよ。主の曾祖母にあたる人物だ…」 オルトの口ぶりに、一瞬、スティアは口元を占める…。 「彼の者が王の言葉に答えを出した。『我は追跡者である』と。そして、言葉をつづける。『先に訪れた存在は、星を渡り、侵略を繰り返し、星が枯化すれば、星を渡る。それを繰り返す盗賊であり、私はそれを阻止するべく旅を続けている魔術師だ』。その者は、そこまで言い、彼らの事を[AGOTOW]と言ったのだ」 |