=第四章= |
アドベルが話し終わり、…しばらくの静寂の後、…アポロの目から涙があふれ、そして、零れ落ちた。 「…、僕は、生まれる前から、もう…こうなる事が決まっていたんだ…。ね」 アドベルはうなずく。 「そして、兄さんは、その全てを知っていたんだね」 「僕と妹がAdobizar候補だったから、そう知らされた」 「…兄さん、一つだけ質問していい」 アドベルはうなずく。 「最後のゲスト、僕が剣を突き立てるゲスト、…って、きっと、それは、ユーマさん、なんでしょう?」 アポロの問いかけに、アドベルはうなずいた。 「いいの、兄さん。本当に、僕は兄さんの父さんを、殺しても…」 追する質問にも、アドベルはうなずき、是正の言葉を返す。 「そうしてもらわなければ、全てを壊せない。ただ、全てを壊したとしても、もしかしたら、[人間]はそれを復旧するかもしれない。その間の平和かもしれない。でも、…きっとその間、アポロ、君は死ぬまで[自由]を手に入れる。君だけじゃない。クリス王女も、トゥア王女も、王国の皆も…[自由]を」 「そこに、兄さんは?」 「いない」 二人の問答に、再び静寂が差し込まれる。 |