=終章=
[終焉との決別]
第6話・赤の113標

 

 …実は、スティアにとって、このような拘束。感知、防御するばかりではなく、意趣返しまでできる事だった。
 正直、今でも、この程度ならば、すぐさまに解呪し、男を消滅させれる事も疑いないものでもあ った。が…、彼女はあえて行わなかった。

  本来なら、あるべき抑止力が発動するはずだったのだろう。しかし、アドベルがオルトを殺した事によりそれがなくなった。そう、彼女は、…いや、彼女たちは今始まろうとしている物語にも介入できるのだ。
  しかし、それは、アドベルの望む結末ではない。
  その行動で、きっと、アドベルの望むものは行われない。
  そうなった時、自分達の救いは起きない…。

 エディルもそれがわかっているからこそ、状況を見守るように静観していた。
 そして、視線はアポロに向けながらも、二人は周囲に意識を広げていた。

  アポロがその剣をあの男に突き立てた時、
  アドベルが動きを見せる

 それを確信し、彼を見つけんがために、二人は状況を見守った。


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