=終章=
[終焉との決別]
第9話・赤の114標

 

 状況の一転。アポロの状況を見ていたスティアには、焦りが浮かぶ。
 今の事態は、好転の目が見えないのだ。
 相性の問題と魔力差。明らかに、アポロが悪い。
 勝てる要素がないのだ。…しかし、彼が勝つことは確かなのに。だ。
「そう、このままでは、アポロは勝てない。…不利の演出です」
 そのスティアの心を読むような声が張り付けられる彼女の後ろから聞こえる。
 もちろん、それは聞き覚えのある、そして、探し求めた声。
「そこで、貴方が介入するのです。スティア様…。」
 一方的に語る声の主に、スティアが声を上げようとした。が、…
「そして、あなたはまだ、ストーリーから外れてはならない…のです」
 そこまでを一区切りに、声の主は…次の事を話し出した。
「あなたは、もう、ある程度、私の力、私の[AGOTOW]の力の一つには、気づいているでしょう。…私の力…。それは」
 スティアが真意でもがき、あがいてみせるが、表情筋さえも動かせない中、声の主は
「あなた方を含む、全ての[超能力者]とされる人々の感情と一時的な自由を奪い、操作する能力です」

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