=終章=
[終焉との決別]
第53話・黒の62標

 

 青空の広がる廃墟の塔の元、止めている馬車に、エディルとスティアの姿があった。
 そこには、アポロの姿はない。…そう、ないのだ。
 それを確認するように、二人は、再び、洞窟にと視線を向けた。
「行きましょう…スティア様」
 色々と考える事はある、…そして、納得できずとも、終わった事実が、ある。
 [AGOTOW]は潰えたのだ。
 その事実だけは、確かにあるのだ。
「スティア様」
 手綱を取ったエディルが再び、声をかけると、スティアは洞窟に背を向け、帆の中にと入った。

  パシンッ と、エディルが 馬車馬の手綱を打つと、
  馬車は、二人を乗せ、ゆっくりと進みだしたのだった。

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