=閉幕= |
「私達は英雄などではありません」 部屋に入るなり、…スティアがそう口に出した。… 「私達、3人は、…英雄などではありません」 「…」 スティアが繰り返し、言う言葉に、クリスは背を向けたまま、無言を決め、…そして、 「アドベルは、…英雄…であった、と」 「それも、違います!」 クリスの質問に、スティアは首を横に振った。その胸元には、黄色いリボンが、アドベルのリボンが握られていた。 「アドベルは、兄でした…。たった一人である、血の繋がったアポロを助けるために、アドベルは、たった独りで戦っていた。私たちを含め、皆を救うため、そして、アポロを救うため、… …でも、その行動は英雄ではない!ただただ、アポロを救いたいためだけに …全てに恨まれてでも、全てに蔑まれても、全てに認められなくても、 その為に、その為だけに、アドベルは死んだ んです…。…」 スティアの叫びが、部屋にこだまする。 |