=第二章= |
「アポロさん!!」 もはや風前のごとき、気力さえ無く、死を迎える気であった同期で城兵となった男子が叫ぶ。 「持ちこたえろ!俺が引き付けている間に、怪我人を後ろに回し、バリケードを立て直せ!!」 「は、はい」 幾度目かの魔法転移による精神疲労と戦闘疲労にうっすらと汗を額に浮かべるアポロは叫び、紫発光する剣身を目の前の[AGOTOW]の軍勢にかざす。 戦闘意思を見せた瞬間、一体の[Thig]が飛び出す。が、アポロも反応早く、一閃。 その個体が霧散する。瞬間、怒涛に押し寄せる[AGOTOW]。 ただ、アポロは最初の一匹を消し飛ばした後、一息ばかり吸い、剣身を後ろに引いた。 無傷…のアポロが一息つき、「ケルバー長より伝言!敵の総数も少なくなっている。皆、がんばれ!とのことだ!!」後ろで待機していた兵達に激励をした。 次に迫りくるかもしれない軍団に備えるため、再び、活力を取り戻した。 |