=第三章=
[Oldie's Lost Trial]
第33話・黒の45標

 

「久方ぶりの来客であるな…。何年前であろうか」
 3人が到着した先は、大きく開けた洞穴であり、肌寒さも感じる冷気に満たされていたのだろう。足元は、視認が難しいほどに白い空気が覆っていた。
 その洞穴の最奥、白い空気で見えづらいものの、数段ほどの階段が伸び、その上の敷石で固められた台座のように見える、その中央には、木製ではあるが威厳を持たせる意匠の施された椅子が置かれ、…一人の老人が座っており、彼がそんな一言を独り言ちた。
「故に、ガイストが訪れた時であろう」
 歩みを進める3人に、視線を向けつつも、どこか目の前には興味がないとばかりの口調でもって、3人を待つ老人。そして、階段下にまで歩みとめた3人を前に、老人が少しばかり億劫な口ぶりでもって、質問を投げかけた。
「さて、ガイストの息子、アポロよ。今日はいかな、用であるかな?」

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