=第三章= |
「久方ぶりの来客であるな…。何年前であろうか」 3人が到着した先は、大きく開けた洞穴であり、肌寒さも感じる冷気に満たされていたのだろう。足元は、視認が難しいほどに白い空気が覆っていた。 その洞穴の最奥、白い空気で見えづらいものの、数段ほどの階段が伸び、その上の敷石で固められた台座のように見える、その中央には、木製ではあるが威厳を持たせる意匠の施された椅子が置かれ、…一人の老人が座っており、彼がそんな一言を独り言ちた。 「故に、ガイストが訪れた時であろう」 歩みを進める3人に、視線を向けつつも、どこか目の前には興味がないとばかりの口調でもって、3人を待つ老人。そして、階段下にまで歩みとめた3人を前に、老人が少しばかり億劫な口ぶりでもって、質問を投げかけた。 「さて、ガイストの息子、アポロよ。今日はいかな、用であるかな?」 |