=終章= |
…が、しかし、…。 その攻撃は、大地にと吸収される。 うずくまっていたアポロが、後方にはねたのだ。 その体にまとわりついた霜を蒸気にと変え周囲に纏い、裂傷凍傷も癒え、力見せる肌色でもって、数歩手前の男に向って、突進する。 男はもちろん、それに対する防御も行った。 突き刺さり抜けぬ剣を手放し、盾としての氷塊を作り出そうとした。 そして、作り出せなかった。 男とアポロの周囲を熱気が包む。アポロの覇気とも感じるそれが、男の魔法を妨害した。 作り出せぬ防具、ダメージ、そして、魔力を極限にまで浪費した男には、その迫りくるアポロのの突撃に避ける術など持ち合わせていなかった。 |