=第4章・第44部=
始まり

 

 すっと、壁の角より、覗き込む二人。
 銀行の十二個あるカウンターの中央辺りから離れて数名の集り、行員も後ろに逃げてはいるが、
 ただ、その中央にいる行員とカウンター前の男が残っており、男の手には、散弾猟銃の銃口が行員に向けられていた。
「…強盗か…」「のようですね」
 ナウの言葉に、真吾はうなずく。

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