=第4章・第61部=
始まり

 

「あれ、…なんだ。終わったのか」真吾達のいる銀行程近く、雑居ビル屋上にいた人物が溜息を吐く。
「ガタイだけの先公だったくせに、てんで役に立たないんでやんの。金取れないとか、最悪」
 悪態に悪態を重ねる叫びをあげて、…それから、再度、今度は大げさに「はぁあ〜」と、息をついた。
「つまり、それなりに強いって事ね」
 と、…うそぶいて、くるっと背を向け、屋上を後にした。
「面白くなりそう…」という言葉だけを、残して…。

次に進む/読むのを終了する