=第5章・第5部=

 

「智恵美さんに聞いてはいたが、魔法はあそこまで威力的とはな。想像を超えていたよ」
「いえ、あの男の魔法も、そこまで高いレベルのものではありません。セカンドでは、戦闘において常備的に使用されている程度の魔法です」
 真吾の言葉に、ナウと奈左水は目を剥いてみせた。
「ですが、セカンドと違い、サードは魔素の量が少ない為、男のように生命力を変換するしかない。それに、あれ以上の魔法を放とうとすれば、変換し終わる前に、生命力は枯渇し、完成を前に絶命するでしょうね」
「俺から見れば、あれで十分にこの世界の軍事機構を潰せると思うがな。セキランとツヅミの技術はファーストのものだ。装甲もパワーも一軍隊は確実につぶせるものだ。それが、飴細工のように壊され、押し返されるとかな。考え及ぶレベルじゃない。最後には、灰となって消える使い捨て扱い。ただの一般人が生物兵器だ。…」
 ナウは、拳を握り、歯ぎしる。

読むのを終了する