=第4章・第19部=
始まり

 

「…ところで、セカンド…でいいね。セカンドでは、王様が主体で国が栄えてるのかい?」
 歩道を歩きながら、隣を歩く真吾にナウが訪ねる。
「そうですね。王が納めている所がだいたいです」
「サードでは、ない事はないが、基本、この国は民主という政治体制だね。王様のように、その国の代表たる人間はいるが、おおまかな仕組みで言うと、その国に住む人間達が代表を多数決で決める感じだね」
 ナウの言葉に、「なるほど」と答える真吾は、今度は彼がナウに尋ねかける。
「気になっていたのですが、先程からそちらの道で人を乗せ走る金属箱は?」
「ああ、車ね。サードはセカンドと違って、科学技術が発展しているんだよ。まあ、ファーストのレベルではないがね。セカンドで言えば、馬になるわけだが、言ってしまえば、燃料という餌を与えれば、何万頭並みの馬の力を持ち、一昼夜走り続けても疲れ知らずの馬、と考えてくれればいいぜ」
「…便利なものですね…」
 と、談笑じみた感じの受け答えをしている真吾とナウの後姿を見て、無言について歩いていた女性陣ーの奈々美が「は〜い、しつも〜ん」と、手を挙げる。

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