人体のバランス(腕・手)について

 

下半身に続き、難しい描画とされる部分としては、手腕及び足先です。
分かるとおり、細部に関するもので、指先というさらに細分化されるためです。

今回は手…大きくみて手腕についての講習です。
手腕は漫画やイラストの中でも活躍する部位の一つですね。
例えば、剣を掲げた戦士、空を舞うように踊る踊り子、鞄を持ち歩く学生、術を唱える前の手印を操る忍者や魔道師
その情景によって、手腕は様々に向き、自由角度に近い動きを示します。
もちろん、本当に自由に動くわけではないのですが…

なぜ、自由角度のように見せることが出来るのでしょうか。
答えは簡単です。他の体の部分と違い、腕関節が行動範囲が広く、量数も多いだけのことです。
自分の腕を見てください。どれくらいの関節で手腕が成り立っているでしょう。
まずは、腕の付け根である肩。
この関節は人体の真正面から見ても360度動き、側面からでも約90度以上の動きを見せてくれます。
次に肘関節、だいたい150度ないし170度ぐらいでしょうか。それぐらいの動きを見せてくれます。
手首に関しても、160度ぐらいはうごいてみせますね。
指の関節一つ一つが40〜90度は曲がり、手の平もいくつかの骨の構成により花の蕾のように形を変えられます。
また、骨を軸に肩関節90度前後、手首関節90度前後による回転軸があり、手の平の天地を逆転させられます。
このように手腕関節の多彩さがあることで、私たちは大きな作業、細かな作業問わず、難なくこなせていける訳です。

そして、漫画などで、感情面、アクション面に一役も二役も演じる部位であるのですが…
その多彩な関節技術が描くことを困難とさせているのも事実。
イラストレーションなどはきにすることはないというお方も考えを改めなおしてください。
手腕の自由度をより有効に使えなければ、一遍とうな絵(同じ絵柄のみ作品)しか出来ないことを認識してください。

もちろん、一遍とうな絵については、他の部位にも言えることですけど…

 

モドル