集合絵について・其の二

 

集合絵を描く際の方法の一つに[分散]があります。
字の如く、物質を一つ一つを描き込み、それを合成する方法です。
アナログでは切り張りする所をパソコンによる合成技術の発展により、それを容易にしています。
これは技術発展に感謝すべき点ですね。

方法は右上図のように単体を描いていき、最後に配置、左下図のように合成するという簡素なものです。
難しいものではなく、むしろその簡単さから多くの人が使用する方法の一つではないでしょうか。
この方法は確実性が高く、また後でサイズや配置の微調整も簡易なので初心者でも有効な手段ではあります。
ですが、注意点…というよりもこの方法の重大な欠点があります。


見ての通り、キャラクター(物体)全ての全身全景を描くことを欠いては出来ない技法です。
まさに手間暇を割かないと出来ないものです。
私の場合、一人の人物につき、最低でも2時間、最高で丸1日を使用しています。
左下図には17名存在しますので…まさに血と汗と涙の染み付いた作品に…血はないかな
またこの場合の[分散]集合絵の不得意は身体的に密着した(腕を回す、手を握り合う、絡む)などといったものを苦手とします。
左下図の左にいる長い青髪の紅い制服のキャラが子供に手を置いたりしているのは、それらと初めから一枚の絵として仕上げているためであり、決して周りのような[分散]的な描き方をしていないから出来ることなのです。
最後にこの方法[分散]はキャラクターの比較図や右下のように背景に透過性の高めたキャラを置くなどといった扱い方が出来ます。後、余談ではありますが、この方法は植物の描き方にも用いた増幅と同じわけなので…
同じ絵を増幅させて、お茶濁しという反則手段もできますが多用は禁句。
それでも皆様に納得させたい絵を描きたいのでしたら…そんなずるは良くありません。
効果的に用いるのでしたら、いいんですけど…どんな方法があるんでしょうね…

 

モドル