モンスターの描き方について・其の二

 

今回は、それでも外見的なモンスターの描き方を述べましょう。

ひとえにどんなモンスターがあるでしょうか。
・部位(目や腕)、もしくは全身が巨大化、肥大化している
・部位を複数所持している。
・様々な生物の部位が変形、変質、合成している。
・本来と違う方向に関節が曲がる、存在する。
以上の4点が基本的なモンスターの生成方法だと考えます。

では、それらをいかに組み合わせたり表現するかですが…
CG講習の[木(広葉樹の葉)の作成方法]でも言っていますが、

「木に見えるように描くにはどううするかなど…は、私の講習では答えられません。」

という、上記と同じ事を言わせてもらいます。

前講習でもお伝えしたとおり、モンスターとは人の恐怖を表したものです。
ですから、

人の恐怖するものには個人差(感性の差)があります。

例えば、目の多いモンスターを書くとしましょう。
貴方にとって、右絵がモンスターに見えますか。

この絵に恐怖する人はどれぐらいでしょう…
私は別に怖くもありません。私にとって、彼らは普通の人間です。
むしろ、右の人物の左腕だけをピックアップすれば、恐怖は伝わります。

その程度です。

目の配置や数など、そういったものではなく、いかに自分がモンスターを描けているか。
このモンスターに恐怖できるか…
今、あなたの描いているモンスターにどれだけ、恐怖を抱くことが出来るか。
あなたの恐怖が伝わるものを描くこと。

あなたの恐怖がいかに絵に盛り込めるかが、一番重要になるのが、モンスター描写です。

最後に念押しで言いますが、ここでの講習は絵画的技術をお伝えしていこうとしています。
人の感性を左右する、その人の作風に影響するものについては一切、手をつけるつもりはありません。
たまに影響を与えるものも出たりすることもあるでしょうが…あくまで、個人の一技術として認識し、聞き流すなり、自分の技術の糧にするなり、その程度に留めているつもりです。

 

モドル