人体のバランス(顔)について・其の二

 

上の絵は絵で描く上での一般的な角度のものです。
左より真正面、斜め45度、真横、後ろ斜め45度(後、真後ろがありますが、描かなくても想像に難しいものではないと思うので省略します)
一般的に絵を描く際、簡単な角度は[斜め45度]ラインです。
俗に言う、お耽美向きなどともてはやされる所ですね。

この[斜め45度]は、言葉通り、人を最も美しく描く角度になる場合が多いのです。
なぜなら、立体感が最も表しやすい所から始まります。

例えば、貴方がもし立体模型の地図を目にした際、どのような角度が見やすいですか?
地図の真上から見た場合、確かに模型のおかれている配置は認識できますが、その物体の高さなどの大きさを理解できないではないでしょうか。
また、真横から見た場合、確かに物体の高さや風貌を認識しやすいでしょうが、反対に物体の配置を認識しづらいと思います。
ですが、斜めの角度から鑑賞すると、立体模型の地図も物体の高さや風貌を曖昧ですが、その全てを認識できます。

ですから、人の顔のように人体の中でもっとも凹凸の大きな部分の立体性をだすためには、[斜め]という角度の描写がいかに有効かが分かっていただけると思います。

しかし、[斜め]のこの有効性は逆に欠点にもなります。
真上(真正面)のように立体の配置が伝えづらく、また真横(側面)程、立体感をあらわせません。
全てが曖昧であり、その物質の全てを語るには不十分な角度となります。
ですから、ある程度の作画能力があれば、綺麗にみせれるように仕上がりますので
…例えるなら、自動車の運転6ヶ月ぐらいの初心者が運転が上手くなったと錯覚を起こしやすい時期…
それにあたり、自分がうまいんだと錯覚に陥りやすい角度がこの[斜め]なのです。

もちろん、[斜め]しか描けないでも満足される方は構いません。
ですが、それなりに絵で食って生きたいと考える方は、致命傷以上、死の宣告同然ですね。
苦手、嫌だ、敬遠して始まらなければ、どのような仕事世界でも同じく、食っていけるはずがありません。

もしも、絵の上手さを自負するのであれば、せめて顔の角度ぐらい、自由にかけて、当然じゃないかと…私は思いますが…

皆さんはどう思われますか?

 

モドル