今回はシワの種類の描き方について書いていきたいと思います。
左右図の服の布地の違いは分かるでしょうか。
左の布地は柔らかい布地、右は硬い布地を表現したつもりでいるものです。
私は柔らかい布地の場合、裾の広がったものなどは強い線を基調に濃淡を乗せています。
また、光も大きな幅を持たせ、広く開いたイメージを見せるのをポイントにしています。
そして、ゆったりポイントは山形の強い、大きな波をまとわせるつもりで描いています。
柔らかい布地は、拘束感の薄い、開放度の高い服装に用いています。逆に強い布地は絞める印象が強く、部分部分を突っ張らせる感覚となります。
山形を作るのではなく、むしろ尖った山をつなぐ山脈がイメージとしてあります。
開放感ではなく、むしろ規律性の高く、光彩も急激な濃淡を扱うのをポイントとしています。
次に柔らかい布地と硬い布地での座りによる違いについてです。
ポイントは同じ所ですが、柔らかい布地をより開放的に見せるためにはシワ描写を抑え、
むしろ、シワを感じないほどゆったりと包み込むのが良いのではないかと思いつつ、描いています。
(もちろん、手を添えたり、巻き込んだりする等の重圧のかかる部位には局部的な激しい凹凸を持たせていますが…)
硬い布地は体に定着したような感触であり、腕を曲げた時にできる肘や膝のシワを逆に張り出すようなイメージではないかと考えています。
描き方も立ちポーズと同じですが、それ以上引っ張られる場所があるため、反対に真っ平らになる部分(完全に引っ張られしわができない状態)ができてしまうことを念頭に入れてください。
もちろん、柔らかい布地をキツイ拘束に扱ったり、硬い布地でゆったりとした服を描くこともあるでしょうが、
そういったものは臨機応変。結局、自分がいかに表現力があるかを試されるだけのことです。
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