=記章=
[The Beginning]
第7話・黒の7標

 

「むっ…」
 新兵の列を見回し、さて、一言を…。と、思っていたマグデス王が、眉を上げ、一人の男を見る。
 その男は、他の兵士に比べれば、頭一つ高く、そしてがっしりとした体格であり、彫の深い、というより少し頬骨の見える顔立ちで、短く切りそろえた黒髪が特徴の男であった。
「…?、マグデス王」
 ケルバーの王の異変への言葉にも耳もくれず、「そこな者よ…」と、王はその男に話しかける。
「主の名は、なんと申すか…。…」
 王の言葉に、再び敬礼として、姿勢をただし、男は自分の名を述べる。
「私の名は、アポロ=G=オルデスです」
「G…オルデス、とな…。」
 男の名に王は、王座から乗り出し、再度、男・アポロに問うた。
「主の父は、…ガイストなのだな?」
「…、…はい…」

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