=記章= |
「むっ…」 新兵の列を見回し、さて、一言を…。と、思っていたマグデス王が、眉を上げ、一人の男を見る。 その男は、他の兵士に比べれば、頭一つ高く、そしてがっしりとした体格であり、彫の深い、というより少し頬骨の見える顔立ちで、短く切りそろえた黒髪が特徴の男であった。 「…?、マグデス王」 ケルバーの王の異変への言葉にも耳もくれず、「そこな者よ…」と、王はその男に話しかける。 「主の名は、なんと申すか…。…」 王の言葉に、再び敬礼として、姿勢をただし、男は自分の名を述べる。 「私の名は、アポロ=G=オルデスです」 「G…オルデス、とな…。」 男の名に王は、王座から乗り出し、再度、男・アポロに問うた。 「主の父は、…ガイストなのだな?」 「…、…はい…」 |