=第一章= |
アポロは、少し判断に迷っていた…。 部隊長から、志願兵一人を募る、というものに、…。 「誰か居ないのか…。」 少々、怒気を散りばめた諦めの言葉を漏らす隊長の言葉に、誰も答えない…。 本当ならば、部隊長自ら、出陣しようとはしていたが、いかんせん、部隊が疲弊し、 今、指揮官が抜ければ、たちまちに…壊滅するだろう事が明白であった。 だから、この中隊からは、志願兵は出せない…、と、思ってはいるようだが、その視線は…。 アポロに軽く向けられていた…。 体格も大きく、並外れた体力と、臆する事のない気力、その全てが充実していた。 だが、彼がいるからこそ、今、部隊が持ちこたえているのも事実だとも言えるから、隊長も強くは言えないでいるようだ。 …が、その思いが揺らぐ…。 きっかけは、[AGOTOW]の軍勢の中に、見えたからだ。 真っ赤にたなびく、長い髪が…。 「まさか…、」 |