マグデス王は、その場で立ち尽くす。…
本来であれば、[AGOTOW]滞る軍勢の中である。
しかし、マグデス王は、その手に持つ剣を取りこぼさないように立ち尽くすので精一杯であった。
そう、軍勢の真っ只中だというのに、マグデス王と対峙するモノの空間は開け、
心なし、静かな空間が広がっていた。 そう、目の前にいる男…と。対峙するマグデス王を挟んだ空間は、広がっていた。
「お久しぶりですね。マグデス王」男は語る。
「懐かしい再開、この日を待ちわびておりました」
と言葉を続け語り、最後に「そう申したほうがよろしいですかね?」と、悪びれた様子もなく、今の言葉は建前であると、あざ笑ってみせる。
軍勢の土煙で微かに体格ばかりが視認できるが、王はそんな事は無問題であった。
「生きておったのか…、いや、…なぜ、今の今まで、お前を忘れていたか、…」
「は、はは…まるで私が死人であるかのような物言い、少し傷つきますな」
王は、男にそう語ると、男は笑い嘲り、そして、口元をいやらしく跳ね上げる。
その様に、王は口の中を咬み、…そして、ハッとする…。
「ガイストに…ついていたお前…。つまり、アドベルの父親とは…」
その王の思考を遮るように「王よ」と、男が喋る。
「ガイストは死に、新しき章の主役も生まれ育ち、ステージは整いました。物語を始めましょう」
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