=第一章= |
マグデス王は剣を構えなおす。 「そのような事、許すと思うか…」 しかし、それでも男は笑い、すっと王の剣を指差した。 「ソレで私を殺そうというのでしょう?…」 おかしいおかしい、とばかりに、男は笑い、両手を大の字に広げ、スタスタと王に歩み寄りながら、「どうぞ」と、挑発してみせる。 男の不可思議な行動に一瞬躊躇がよぎるも、王は剣を腰だめから大きくなぎ払う。 一閃。 「お分かりですか、王?」 しかし、男はケラケラと笑い、喜劇を楽しむかのような口ぶりで王に問いただす。 確かに、剣は男の胴を薙いだ。はずだ。いや、薙いだ! が、男の体は健在であり、まるで何もなかったかのようであった。 男の左肩から右胴にかけて直線を引くように、両の手で握った剣を振るう。 だが、男の体が何事もなかったのように、大きく両の手を開いたままである。 「だからいったでしょう?、ソレで、ガイストの剣で、私を殺そうというのでしょう?…と」 |