アドベルがそこに辿り着く。 
         そこは、[AGOTOW]が円形に抜けた大地。 
         進軍する[AGOTOW]はその場だけを避け、城を目指す。 
         そう、それは、さながら…。闘技場のような場所。 
          そこには二人の何者かの姿があった。 一人は、痩せ細りながらも厳つい顔つきを持つ女性のような物腰の腰布だけの姿。 
         一人は、太り低身長で卑下た笑いを張り付かせる袖なしの羽織物とパンツだけの姿。 
         その者達が、今しがた現れたアドベルに視線を向ける。 
        「おかしいですね…」痩せ男の者が喋る。 
        「ああ、おかしいな」太った男が習い、喋る。 
        「本来であれば、剣を手にした者が現れる…その剣の筋も終わり、…後は時間を待つだけであったが」 
         太った男の訝しげにアドベルを見、そう語ると、痩せ男は相槌を打つ。 
        「その通りですね。お兄様。これは…イレギュラーでしょう…」 
         そして、アドベルに視線を向ける二人。 
        「イレギュラーは排除するべきでしょう」痩せ男は語る。 
        「まったくだな…」太った男がそれに相槌を打つ。 
          アドベルは、その手の大剣の切っ先を二人に向け、大きく息を吸い、 
           ダンっ!と弾けるような速度でもって、臨戦態勢に移った二人との距離を一気に縮める。 
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