=第二章= |
重傷者を収容する別邸へ向かうクリスは、アポロの言い様に思いをめぐらせる。 「…、友ではないのか…。?…」 そう、彼女は考えてしまう。…アドベルの事を…。 アポロに問いかけた答えは、さらにアドベルの興味を持たせた。 共に過ごしてきた者にも語らぬ何かを抱えている、そんな彼に…。 「雲への問い…」 そして、その彼が投げかけた不思議な言葉。 「…、…。…!!」 クリスは唇を結び、歩みを速める。 その瞳には、凛とした輝きを持たせ、…そう、その瞳は、まさに マグデス王の持っていた、王国の牽引者としての威厳。 その瞳でもって、クリス。いや、クリス王女は、アドベルのいる別邸室を目指し、足高く、歩を進めた。 |