=第二章=
[Arrested Princess]
第8話・赤の31標

 

「休養中、申し訳ないわね」
「いえ、…そのようにお気遣いいただける事、心染み入るものです」
 外にいた衛兵を招きいれ、トゥアを預けたクリスは、ベッドに半身を起こしたアドベルに声をかける。
 それに対し、起き上がろうとするアドベルへ、クリスは手をかざし押しとめ、それから、言葉を続けた。
「そのままで、答えなさい。アドベル」
 強く、…低く強い声色でもって、アドベルを制するクリス。…に、アドベルは従い、続く言葉を待った。
「雲の問い…とは?」
 その一言を放つクリス。それに、アドベルは閉口し、そして、…口元だけを微笑ました。
「お答えすることは出来ません」
「答えるまで、あなたをここに括る事もできるのですよ」
「そうであったとしても…、私はあなたに語る事はできません」
 クリスの言葉に、頑ななアドベル。であったが、一言だけ、答えを述べた。
「それは、あなたがPlayerであるから…」

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