=第二章= |
光の収縮が始まり、北部見張塔の最上部にアドベルとスティアの姿が登場する。 「こちらでよろしいですか?」 スティアがぼそりとした口調でアドベルに問いただすと、無言で彼は頷いた。 そして、ゆっくりと抜刀をし、「…、いるのは分かっています」そう呟いた。 「まあ、そうでしょうねぇ」 少し気の抜けた口調の…涼やかしい女性の声が二人の耳を包む。 そして、周囲を少し竜巻状の風が埋め尽くし、その暴風に目を軽く閉ざした二人が目を開けると、 そこに一人の女性が立っていた。 「ごきげんよう、ご招待を快諾してくださった事、嬉しく思いますわ」 |