=第二章= |
アドベルを巻き込んだ閃光は彼自身の目を眩ませ、一時の身動きもとれずにいた。 そして、視力が回復する頃、相手もまた、その目眩ましにやられていたようで、目元を振り、アドベルを見る。 「名乗り口上もさせずに攻撃とか、とんでもない奴ね…。これだから、Playerでない奴は、…」 女はそう吐き捨て、残ったアドベルに睨みを利かせた。 「あなたも災難ねぇ。薄情な相手をもって、…確かにトゥアは準playerではあるから、確保の重要性を思えば、あの行動も考えうるものだけれども…」 ふふ、っと笑う女性に、今度はアドベルが走り、その剣をブンっ!と振る。 スティアの攻撃に比べれば、なんとも見え見えの有様であるが故、女は宙に浮き、はんっ!と息を吐く。 「物語を外れているとはいえ、名乗り口上くらいはさせていただきたいものね。それが魅せる演出でしょう」 彼女の周辺を甲高い風切り音が舞う。 「我が名はウラブ。四天の一つであり、風の化身なり」 そして、風切り音はアドベルへ向けて、強烈な烈風を見せる。 「我の旋風により切り刻まれてしまえ!」 |