=第二章=  | 
    
|  ウラブの高々に振り上げる左腕。それが振り下ろされた瞬間、指先にあわせた風の斬撃が生まれたのだろう。 敷き詰められた石畳に5本の鉤爪痕が現れたかと思うと、アドベルに向かい、一直線にとスジが石の削り音と共に、伸びていく。 目に見える程の攻撃に、アドベルはなんなくと横ステップでかわす。 刹那、 …ブラン…  と、彼の左半前に構えていたその左腕付け根から、腕が・・・残った筋繊維だけ繋がった状態で垂れ下がった。  そう、彼女はアドベルの避けた先にそっと風の指弾を打ち出していた。 左腕と…心の臓を潰されていた…。  |