=第二章= |
ドサリと倒れるアドベルをよそ事に、ウラブはハァ…と毒づく。 「まったく、[ADoBaiza]の真意を聞くべく、用意した場であるのに、早々に立ち去るとは…ね。」 そして、倒れ血潮の海に浮かびだすアドベルを横目で見、もう一つ毒づいた。 「時間稼ぎに、Extraまで使うとは…、よほど暴露を避けたい案件でも考えていたのかしらね」 そして、その踵をスティアが向かったであろう階段にと向ける。…刹那、 彼女が肢体を大きく屈めた! 逃げ遅れた髪の切れ端が彼女の眼前に舞い落ち、 もし、あの場、悠然と歩いていけば、確実に自分の胴は無くなっていた。そう感じずにはいられない存在がそこに立っていた。 |