=第二章= |
ドラゴンと化したアドベルがウラブの元へ突如跳ね、顎を上げる。 ガキンっ!と渇いた両歯の合わさる音。 空を切った彼は跳ねの反動で僅かに足を滑らしつつ、体を反転させると、宙にと逃げたウラブが右の手刀を繰り出す。 手刀の軌跡に沿い、風の刃が放たれ、地面をえぐりながらアドベルに直進してきた。 変化をする前のアドベルならば、横に避けていたが、今度のアドベルはその腕を突き出し、一つの魔法陣を展開し、それを防ぐ。 「さすがに、[ADoBaiza]ね。開放すれば、そうなるか」ウラブはほくそ笑み、さらに距離をとり、すばやく印を切る。 「では、これはどうかしらね!」 そういや否や、彼女の体を中心に、水蒸気が当たりを包む。 そう、ウラブの姿を隠した…。 「あなたがエラブの子であるのは、知っているわ。土の力を前に、この主よりつかわさった水の力。あなたはただ無力になるのよ」 |