=第二章= |
ガキン!と金属音が響く。 「何?」風の刃の不思議な手応えに、ウラブは眉をひそめ、さらに新しい風の刃を連続に放つ。 その何十とも言える刃は蒸気を切り裂き、周囲を晴らしながら直進し、アドベルの立っている場所へと飛来した。が、固い金属音が鳴り響き、晴れた蒸気の中からそれが姿を現した。 そそり立つは鈍鉄色の壁だった。明らかにそこになかった金属質の物質である。 その有様に一瞬の困惑を見せるウラブを前に、その金属物質の中央部分が真っ赤に湯立ち、光黄色に一瞬で変化が見えた瞬間、彼女は危険を察知し、地面に降り立った。 |