=第二章= |
強烈な鈍撃がウラブの腹部を襲う。その威力は彼女の体を浮かし、その勢いのまま、壁にと叩きつけられ、そのまま、貼り付けにされた。 彼女の太ももほどの鉄塊であろうものが、腹部を突き破り、肺に溜まった血を吐き出させた。 「…、うふふ。賢いわね」自分の体を貫いた物を痛みを通り越した痛みのせいで痛みを遮断した頭の中で、この正体が分かり、心臓の止まっていく感触を味わいつつ、歩いてくるアドベルを視界に入れる。 「火と土。つまり、土を焼き固めた訳ね…。より強固に、より殺傷力を求め、…私のナマクラ風じゃ、ダメね」 朦朧となる顔をあげ、ウラブは自分の前に仁王立つアドベルへ… これは、アラブもまた、同じくしたように、 返答があるはずもない、質問を投げかけた。 「シナリオにない筋書き、シナリオ外で殺されていくメインキャスター、…あなたは作品を壊したいの?」 もちろん、それは無意味だと知っていた。そう考える前に、ウラブの頭部は噛み千切られ、アドベルの喉奥にと流し込まれいていたのだから…。 |