=第二章= |
「クリス王女!」 部屋を出た二人の女性、の内、スティアがドア閉まらぬうちに嘆願をする勢いでもって、クリスに強い口調をぶつける。しかし、クリスは落ち着いたもので、それに対応した。 「あなたの言いたい事は、分かっているわ…。私もやはり、納得はできない…」 彼女の言葉に、クリスも同意はする。しかし、 「それでも、…私はすがるわ。彼の言葉に」 「なぜです!!」 「…、お父様と同じ言葉を発したから」 「マグデス王と、同じ事?をです」 「…雲の問い…」 「雲の問い?」 「分からないでしょう?私にも、分からないわ…。でも、…」 ただ、それぞれに言葉を交わす二人だったが、ふっと言葉を切るクリス。 「考えても仕方のない事よ。きっと、私達には、及ばない事柄なのでしょう。だから、私達の出来る事をするだけです」 「…」 「すがり、あがきましょう。スティア」 |