=第三章= |
「アポロ殿、スティア様、お邪魔いたして、よろしいでしょうか?」 ランタンの光が床にこぼれる開け放れたドアを軽くノックするエディル。 「率直にお聞きします。アドベルとは、何者なのですか…」そして、二人の返事を待たず、エディルがアポロに問いただした。 「アポロ殿は、あの者をお慕い申しておられるようですが、…私、そして、スティアもまた、クリス王女を警固する者として、信用の置けぬ人物です。アポロ殿、正直にお答えできますか…」 強い口調のエディル、その言葉には見えぬ目元ながら、スティアもアポロに注目をしているようでもあった。 アポロはそんな二人の視線に挟まれ、「アドベルは…」と、小さな声で口を開いた。 |