=第三章= |
「剣の道化師…」 アポロの言葉に、エディルは言葉を投げかけるが、…そこで押し黙り、…。部屋を後にした。 スティアはそこまで聞いてもなお、アポロの背に身を預け、そして、こう言った。 「アポロ殿、…いえ、アポロ。悲しい事は言わないでください。私はあなたがとても素敵な人だと感じています。たとえ、争うのが嫌いでも、あなたは矢面に立ち、皆を救ったのです。どんな課程であれ、どんな道化であれ、あなたが皆を救い、希望を与え、そして、道を示しています」 「スティア様、…僕は、そんな立派じゃない。立派じゃない。僕はただ、剣に操られてるだけだ」 「…、」スティアは黙り、そして、それでも身をゆだねる。アポロに人の温かみを伝えるように。 部屋を後にしたエディルは、廊下より見えるはずも無い灯台の上を見上げた。 その時同じく、灯台の上に居るアドベルは、「[今]はもうすぐです」と、…口に出す。 |