=第三章= |
馬車は昨日のように、ゴトゴトと、荷台を揺らしながら森の中を進んでいた。 いつもと変わらない日常の光景、そんな気がしてならない。 だが、今は戦時中である。どこに敵が潜んでいるかも分からない。 荷台の3人は気を張り詰め、周囲の警戒を強めていたが、アドベルは平然としたものだ。 エディルは彼の行動に一抹の不満を覚えつつ、それでもあたりを警戒していた。 「昨日はすいませんでした。お見苦しい所をお見せしました。申し訳ありません」 アポロがふとそう言った。突然の申し出に馬車の中にいる二人は面を見合わせ、そしてアポロを 見た。 |