=第三章=
[Oldie's Lost Trial]
第18話・赤の69標

 

馬車は昨日のように、ゴトゴトと、荷台を揺らしながら森の中を進んでいた。
いつもと変わらない日常の光景、そんな気がしてならない。
だが、今は戦時中である。どこに敵が潜んでいるかも分からない。
荷台の3人は気を張り詰め、周囲の警戒を強めていたが、アドベルは平然としたものだ。
エディルは彼の行動に一抹の不満を覚えつつ、それでもあたりを警戒していた。
「昨日はすいませんでした。お見苦しい所をお見せしました。申し訳ありません」
アポロがふとそう言った。突然の申し出に馬車の中にいる二人は面を見合わせ、そしてアポロを 見た。

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