=第三章=
[Oldie's Lost Trial]
第24話・赤の74標

 

 彼女は、ゆっくりと視線だけをアドベルに向けた。
 エディルも、スティアの思惑を感じ取ったのだろう。
 アポロばかりは、物珍しそうにあたりを見渡している中、…。アドベルは、

 アドベルだけは、なにも動じた様子もなく、それでも3人の方に振り替えるでもなく、背中だけを見せていた。
「皆さん、」不意と、アドベルが背中を見せつつ、声を上げた。
「いつまでも、ここの鑑賞会をしている暇はありませんよ。先を急ぎましょう」
 その声は、いつもの調子であり、特に変わった様子もないが、…アドベルは、確かにこれがなんであるのか、を知っている具合を、感じさせるものだった。
「確かに、アドベルの言うとおりだ」
 ただ、そんなアドベルの事を気にかけないアポロが、彼の言葉に賛同する。
 そして、再び、4人は歩き出した。

  立ち並ぶ鳥?の彫像に挟まれた道を…

次に進む/読むのを終了する