=第三章= |
彼女は、ゆっくりと視線だけをアドベルに向けた。 エディルも、スティアの思惑を感じ取ったのだろう。 アポロばかりは、物珍しそうにあたりを見渡している中、…。アドベルは、 アドベルだけは、なにも動じた様子もなく、それでも3人の方に振り替えるでもなく、背中だけを見せていた。 「皆さん、」不意と、アドベルが背中を見せつつ、声を上げた。 「いつまでも、ここの鑑賞会をしている暇はありませんよ。先を急ぎましょう」 その声は、いつもの調子であり、特に変わった様子もないが、…アドベルは、確かにこれがなんであるのか、を知っている具合を、感じさせるものだった。 「確かに、アドベルの言うとおりだ」 ただ、そんなアドベルの事を気にかけないアポロが、彼の言葉に賛同する。 そして、再び、4人は歩き出した。 立ち並ぶ鳥?の彫像に挟まれた道を… |