=第三章= |
道を抜けた先には、似たような金属質の人一人程度の幅の通路が見えてきた。 「オルトは、本当にこんなところにいるんですか?」 道を進みながら、アポロがそう小さくぼやいた。 「なんだか賢者の佇まいには見えない場所ですから」 「アポロ殿は、城の書庫保管庫を考えておいでみたいですね」 エディルがアポロの呟きに、小さな笑みを見せながら、「賢者にしては、堅牢な雰囲気ですものね」と、付け加える。 とは言ったものの、再び会話が途切れる…。 道は続くが、何もメリもハリもない空間が続く。響くのは4人の足音のみで、変化の見えない道。 「本当に、こちらで正しいのかしら」 しんがりを務めるエディルが軽く後方に視線を送りながら、少し不安そうな言葉を漏らす。 そう、一行がそんな不安を感じる中、不意にアドベルが立ち止まった。 それに、続くように、アポロ、スティア、エディルが足を止めた。 |