=第三章=
[Oldie's Lost Trial]
第25話・赤の75標

 

 道を抜けた先には、似たような金属質の人一人程度の幅の通路が見えてきた。
「オルトは、本当にこんなところにいるんですか?」
 道を進みながら、アポロがそう小さくぼやいた。
「なんだか賢者の佇まいには見えない場所ですから」
「アポロ殿は、城の書庫保管庫を考えておいでみたいですね」
 エディルがアポロの呟きに、小さな笑みを見せながら、「賢者にしては、堅牢な雰囲気ですものね」と、付け加える。
 とは言ったものの、再び会話が途切れる…。
 道は続くが、何もメリもハリもない空間が続く。響くのは4人の足音のみで、変化の見えない道。
「本当に、こちらで正しいのかしら」
 しんがりを務めるエディルが軽く後方に視線を送りながら、少し不安そうな言葉を漏らす。
 そう、一行がそんな不安を感じる中、不意にアドベルが立ち止まった。
 それに、続くように、アポロ、スティア、エディルが足を止めた。

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