=第三章= |
「3人とも」 思う所に、不思議な顔を見せるアポロと2人に、いつの間にか後方に回っていたアドベルが声を上げる。 「この扉は、鍵が必要になります。…そして、」 振り返る3人に向け、アドベルがゆっくりとした口調でもって、語りはじめ、首元を指で引っ張り、首にぶら下がる何かを取り出した。 「これが、…鍵です」 細い鎖につながれたそれは、鍵…と言われても、そうも見えない手の平サイズの小さな固い紙きれのようであった。 「なぜ、あなたがそのようなものを持っているのです!!?」 アドベルの言葉に、声を荒げるスティア。…しかし、アドベルは。しばらく押し黙り、そして、ゆっくりと再び、口を開く。 「ガイストさんの同行者に、私の両親にあたる、エラブとユーマ、その二人より託されたモノといえば、納得いただけますか?」 アドベルの答え。それに、エディルはアポロを、見た。 「あぁ、確かにアドベルはエラブさんとユーマさんの息子だ」 |