=第三章= |
アポロも少々言葉に窮しながらも、アドベルの言葉に是正を重ねる。もっとも、アポロ自身も、今の言葉には、違和感を覚えるようで、眉ばかりはひそめていたようであるが、…。 「いいでしょう…。アポロ殿の言われる言葉に嘘はないでしょう」 エディルは、どこか吐き捨てるような口調でもって、アドベルの言葉を是正した。が、「けれど、…」と、質問を投げ返す。 「けれど、あなたのご両親は、この事態になることを想定していたのですね。[AGOTOW]が城を襲い、このような旅になることなど、を予測され、ご両親は、城に行くことになったあなたに託した…と」 そう、そのエディルの言葉には、アポロにも疑問を思い浮かばせるものだった。 「それに、…アドベル。託されたって言っても」 だから、エディルの言葉に、便乗する形で、アポロにとっても不思議すぎるアドベルの言葉に、質問を投げかけた。 「エラブおばさんもユーマおじさんも、アドベルの妹が死ぬ前から、もういなかったじゃないか…」 アポロの言葉に、残る二人はいよいよの不信感を覚える。が、アドベルは頑なな[黙秘]を決めていた。 「…、すべて[今]ではないのですね」 |