=第三章=
[Oldie's Lost Trial]
第28話・赤の78標

 

 アポロも少々言葉に窮しながらも、アドベルの言葉に是正を重ねる。もっとも、アポロ自身も、今の言葉には、違和感を覚えるようで、眉ばかりはひそめていたようであるが、…。
「いいでしょう…。アポロ殿の言われる言葉に嘘はないでしょう」
 エディルは、どこか吐き捨てるような口調でもって、アドベルの言葉を是正した。が、「けれど、…」と、質問を投げ返す。
「けれど、あなたのご両親は、この事態になることを想定していたのですね。[AGOTOW]が城を襲い、このような旅になることなど、を予測され、ご両親は、城に行くことになったあなたに託した…と」
 そう、そのエディルの言葉には、アポロにも疑問を思い浮かばせるものだった。
「それに、…アドベル。託されたって言っても」
 だから、エディルの言葉に、便乗する形で、アポロにとっても不思議すぎるアドベルの言葉に、質問を投げかけた。
「エラブおばさんもユーマおじさんも、アドベルの妹が死ぬ前から、もういなかったじゃないか…」
 アポロの言葉に、残る二人はいよいよの不信感を覚える。が、アドベルは頑なな[黙秘]を決めていた。
「…、すべて[今]ではないのですね」

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