=第四章=
[ADOBEL]
第4話・赤の89標

 

「エディルさん」背を向けたまま、アドベルが語りだす。
「今、は先ほど、オルトを殺したことで、終わりました」
「オルトを殺した!!」
 エディルが声を張り上げる。しかし、アドベルは動じた様子もなく、言葉を…「アポロ」と質問にと変え、つづける。
「アポロ、今から、僕は全てを話す。すべてを話したとしても、君はこれから続く道筋を外れることもできないし、外れるわけにもいかない。でも、もうその抑止できる力をも奪ってしまった。だから、君は今、ガイストと同じように自殺という道で、役を降りることもできる」
 そこまで言い、アドベルは振り返り、困惑で淀む瞳のアポロを見た。
「そう、君は逃げることができる。でも、逃げた瞬間、スティアもエディルもクリス王女も、王国すべてが、きっと終わる。終わる可能性があるんだ…。だから、アポロ、もし、すべてを聞いても、逃げないでくれ…。それを約束してもらえるか?」

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