=第四章= |
「全てを話すのですね」 アポロの言葉を待たず、エディルが口を開いた。 「その全てとは、何をもって、全て、なのですか」 「この戦いの無意味と私たち存在全て。です」 「無意味!?」スティアが叫ぶ。 「この戦いが無意味と、言い放つか!この戦いを、貴方は!」 それに、アドベルは首を横に振った。 「私たちの戦いは、皆を守るための、王国を守るための戦いです。そうではなく、…この戦いが無意味なのです」 「兄さん…」 エディル、スティアの憤りに感化されたように、アポロがゆっくりと口を開いた。 「逃げないよ…僕は、それが、僕のできる、兄さんの手助けなんでしょ」 アポロの言葉に、ただ悲しそうな表情だけは変えず、アドベルは「ありがとう」と、答えて見せたのだった。 |