=第四章=
[ADOBEL]
第9話・赤の94標

 

「その一人が、オルト。彼は、今アポロが携帯する剣を主軸に置く物語をシリーズとして、作成していたんだ」
 アドベルは、そこまでを言い切り、…そして、うつむいた。
「僕が言う、戦いの無意味、それは、「人間」の娯楽のために、僕たちは「超能力者」同士で殺しあわされている。…そして、それで生まれた富で、「人間」は「超能力者」を「地球」に送っているんだ」
 戦いの無意味、その意味は3人の心を崩壊していく感じを覚えた。
 友をなくした同僚の咆哮、両親を亡くした子供の涙、疲弊し壊れ行く王国、それでももがき生きるために戦い続けるのが、すべて、…すべて、「人間」の一時の楽しみのために…。

 「人間」の富のために…。

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