=第四章= |
「そうしなければ、オルトを殺した所で、きっと後任者が訪れる。物語の完結していない事実は、[人間]に伝わり、オルトが死んだことが分かれば、…きっと。…だから、後任者が来る前に、物語を終え、…」 そこで、いったん、…アドベルは、言葉を切り、ゆっくりと切り出した。 「物語の進行に関与できる僕が、すべてを破壊する」 「全て…」 スティアが聞き返す。 「物語に関与するすべての資材を、です。オルトの住居、そして、[AGOTOW]を生み出す装置、…その全てを破壊します」 アドベルは言い切り、そして、頭を下げた。 「アポロ、スティアさん、エディルさん…。この物語を終えることで、すべての施設が一時的に停止します。停止した瞬間が、すべてなのです。ですから、物語を終えたい」 「終えた後、あなた一人で?すべて??」 エディルが切り出した言葉に、アドベルはその言いたい事を理解していた。 「皆も協力してくれる。そう言いたいのでしょう…無理です。皆は、プレイヤーであり、そしてエキストラ、[AGOTOW]はゲストであるから。物語の流れを大きくずれる行動はできない。した瞬間、…消えていなくなる。そういって、消えたのがガイスト…アポロ、君の父だ」 アポロはアドベルの言葉に目を見開いた。 「ガイストは自殺じゃない…。オルトによって、殺された…。なぜなら、アポロ。君を殺そうとしたから…。自分の二の舞をさせまいと思い、…君を殺そうとしたガイストは、オルトに殺された」 「ガイスト様が…アポロ殿を…」 エディルも目がくらむような感覚を受ける。 「…、全てを話すよ。アポロ、君の母は、エラブ…。僕の母でもあるエラブだ」 |