=第四章= |
「行きましょう、アポロ」 動けないでいた3人の中、口を開き、声を出したのはスティアだった。 「このまま、この場所に座り続けている訳にもなりません。アドベル…が言った通り、北の監視所に向かいましょう」 心はまだまともではないが、頭ばかりはすっきりとしたのだろう。スティアの眼差しには、決意の光が宿っていた。そして、こうも言った。 「それに、アドベルを救える機会があります」 スティアの言葉に、アポロ、エディルは顔を上げた。 「彼は言っていました。[AGOTOW]を生み出す装置を壊す、と。それはきっと、いえ、必ず[AGOTOW]の住居にある。きっと、ユーマに剣を突き立てた時、アドベルは動く。そう、その時、アドベルを助けれるかもしれない」 スティアの言葉に、アポロは頭を再び下げる。 彼女の提言には、確かにそうだ。その時が来れば、アドベルは動く。そして、何かするのだ。 しかし、その何かはわからないが、それでも接触できる。接触できれば、自分たちもきっと、アドベルを救える何かができるかもしれない。 一縷の望み、…アポロは、スティアの…彼女の言葉で、その体に力を入れた。 その瞳に、決意を込め、…「行こう」とだけ、しかし、力強い言葉でもって。 |