=第四章= |
きっと、それは、…彼女が眠りから覚めたのは、偶然ではない。 そして、これは、…きっと彼の思惑であったのだろう。 馬車宿の外に、アドベルがいた。 強い覚醒感を覚えつつ、スティアは歩を進めた。 それから、彼が手をかざし、止まるよう、とされるまでの距離まで近づいた。 アドベルが口を開いた。 「あの場では、どうしても言い出せなかったのですが…、トゥア様に、伝言をお願いします」 そして、自分の髪をポニーテールにまとめていた黄色いリボンを解き、そのリボンを彼女にさしだした。 「アドベルは、すこしばかり長い旅に出ます。と」 … |